第5章 真王覚醒



人類はもうダメだ!
「ギャーーーーーーーーーーーー!」
アンタ誰?「陛下!?いかがなさいました?」
「・・・な、何や夢かい・・・い、いや、何でもない。ちょっとうなされとっただけや・・・」
だからアンタ誰?「そうですか。ならいいんですがね。フッフッフッ・・・」
「・・・誰やあれ?」

パーシオンからの宣戦布告直後、矢継ぎ早にあれこれと指示を出して一段落し、とりあえず一眠りしてヤングリーフ滅亡という悪夢を見てうなされてしまったクレアでしたが、彼が迅速に指示を出したおかげでパーシオン艦隊の進撃はバルディス星系連合軍の奮戦により、どうにか停滞しています。

しかしパーシオン帝国の繰り出した異生戦艦・ブミーは極悪なまでに強力でした。全ての艦の耐久力と攻撃力がこちらの弩級戦艦並の上、対地攻撃艦としても使えるというとんでもない性能を備えています。
これまでの旗艦を集中攻撃して追い払うという戦法はブミーにも有効なのでどうにかしのいでいますが、他国の艦隊は当たった端から全滅しています。数はこちらが圧倒的に多いけど戦闘そのものはむしろ不利といえます。
反則な強さ
しかし、ここである報告がクレアの元にもたらされます。
「何やて?敵が撃沈されたブミーを補充した形跡がないやと?」

そう、一旦主星に撤退して再出撃してきたパーシオン艦隊の総耐久力の数値が明らかに減っているのです。どうやらブミーは強力だけど補充はおいそれときかないようです。

そうとなれば話は別です。戦艦を大量建造してまずパーシオン艦隊を消耗戦で徹底的に叩き、遂にパーシオン艦隊は一隻残らず全滅します。
「よっしゃ!次はいよいよデスペランや!第1艦隊に防衛衛星を破壊しさせて第5艦隊に止め刺させえや!」
これまで成功を収めてきた2段構えの戦法で一気に決着をつけようとしたヤングリーフ軍でしたが・・・・

「なんやと!第1艦隊が壊滅ぅ!?」
キモい星
報告によればデスペランを防衛しているブミーは恐ろしいほどの長射程でこちらの射程距離に捉えるまでに艦隊がほぼ壊滅させられたと言うではありませんか!どうやらデスペランを守るブミー相手にこれまでの戦法は通用しそうにありません。

「しゃーない!仕切りなおしや!」
・・・というわけで最早艦隊戦の必要は無いので全艦隊を対地攻撃艦のみで編成し、再びデスペランに総攻撃を敢行します。6個艦隊を送り出し、2個艦隊が撤退に追い込まれましたが、第3波のマクナマス准将率いる第3艦隊が遂にデスペランを陥落させることに成功したのです!

「よっしゃあ!よーやったぞ!マクナマス准将!早速デスペランを接収せえや!」
歓声に包まれる司令部。クレアに祝辞を述べる側近達。しかしクレアの様子が変です。俯いて何かに耐えるように肩をぶるぶると震わせています。
「陛下!?いかがなさいました?」
「・・・・・・・くっくっくっくっ・・・・・・はーっはははははははは! 」
いきなり顔を上げて哄笑するクレア。遂にクレアが乱心したか!?と気が気でない高官達。
「ははははは!えーもん手に入れたで!これでバルディス星系の歴史も変わるんや!もう辺境と呼ばせへんでえ!」
「陛下・・・・まさか・・・・」
まさかデスペランとパーシャルライブラリの力を我が物にして銀河系征服なんて言い出すんじゃないかと顔面蒼白になってクレアを見つめる高官達。司令部に詰めていた人員も不安そうにクレアを見つめています。

しかし、クレアは彼らの予想を超えた突飛な発想の持ち主でした。
「あのデスペランをバルディス星系の新名所にして観光客を呼び込むんや!モリスから聞いた話じゃあのバケモンあちこちの星系に現れてえらい騒ぎ起こしたそうやないか。あれとあれを囲む閉鎖要塞は他の星系に無いからのう。これをあっちこっちの星系に宣伝して観光の目玉したら儲かるでえ!あ、そうや!宿泊用のスペースコロニーも建造せなあかんし土産物屋も用意せなあかん!う〜んデスペラン饅頭ブミー煎餅かあ、まんまじゃ気味悪うて食えへんからのう可愛くデフォルメせんとギャルにうけへんで・・・・おい何ポカーンと口あけて見とるねん!企画会議や!その道の専門家召集せえや!こりゃ一大事業になるでえ!」

あんな危険なモノがクレアにとっては単なる客寄せパンダ・・・・あまりにも常識からかけ離れた発想に開いた口が塞がらない高官達でしたが、「力をもって銀河を統べる」と言い出さないだけ遙かにマシです。

しかしクレアの野望が実現することはありませんでした。デスペランはなんとワープしてバルディス星系から去ってしまったのです!グラフツゥラーの「自我を持たぬ真王の意志に従うつもりは無い」という捨て台詞を残して・・・
一応自分の主君と認めてるようで・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「!?」
いつもならここでモニターに向かって早口で何やらまくし立てているはずのクレアが沈黙しています。怪訝に思ってクレアの方を見た側近達が見たものは白目をむいて口を半開きにし、その端からよだれをたらしているクレアの姿でした!
「陛下!?陛下っ!!」
仰天して駆け寄る側近達。よく見たらかろうじて聞き取れるほどの小声で何やらブツブツ呟いています。
「ブツブツ・・・・ワイはクレア・・・ヤングアイムとマリアの間に生まれた子で始皇帝クレアでオトンはサザビーで・・・あれ、ワイは誰やったっけ?ワイは光の真王クレア・・・108人の子分と一緒に銀河系にワイの世界を取り戻すんや・・・ほんでもって人類の平和を・・・ブツブツ・・・」

「わーっ!陛下が本格的におかしくなった!」
「陛下ご乱心!典医!典医!」
「とにかく陛下をお部屋に!」
「部屋に鍵をかけろ!正気になるまで部屋から出してはならんぞ!」

・・・・と側近達が大騒ぎしているのを尻目にクレアの元に集まった14人の光の戦士、シーブズ オブ ナレッジ達は残された封鎖要塞の中から異形の神ハーバの姿をしたパーシャルライブラリを発見し、バルディス星系に6つの封鎖要塞が設置された経緯を知るにいたります。
何の神だろう?
それによるとザグレット帝なる人物が異生体クラーリンとのコンタクトを図るための実験をこのバルディス星系で行い、クラーリンの危険性を封印するために封鎖要塞を設置したのだとか。そしてその封印をとくためにはシーブズ オブ ナレッジの最後の一人、リンシア=マークライトが失踪したガーディナル星系にあるパーシャルライブラリの暗証が必要だったことが判明します。今回の一連の事件との関連は不明のままですが・・・
結構オレ好み
何がともあれ彼らはクレアの覚醒を受けて彼に仕えるべき光の戦士達を捜し求めて再び旅立っていきます。

一方、クレアの居室では・・・
「こらっ!開けんかい!ワイは正気やぞ!これから人類救うために新たな戦いを始めなあかんのや!おいっ!聞いとるんか!?これから光の真王軍団を結成してワイの光で人類を照らしだすんや!ちゃっちゃと部屋から出さへんと108人のワイの子分たちが黙ってへんでえええええええ!!」

今まさに伝説の扉は開かれたのです!

TOPへ
第4章 地獄の帝国・パーシオン
簡単にここまでの攻略
冒頭に登場した謎の人物はヤングリーフ滅亡という条件を満たせば登場する?首領という隠れキャラです。すべての能力が最高値でしかも時期にかかわらず自動的に第1艦隊の司令官になり、マグニ級対地攻撃艦をその時点で持てる艦数分保有することができます。
ただし滅亡の1ターン前からの再開となるので初期にこれをやったら大変厳しい戦いを強いられます。

パーシオン艦隊は強力ですが補充は全くされないので消耗戦に持ち込めば時間はかかっても全滅させることはできます。また封鎖要塞は陥落させても特に意味は無いので放っておいても大丈夫です。

他国の艦隊も考えは同じなのか、封鎖要塞には目もくれずにパーシオン艦隊かデスペランに攻撃を仕掛けるので、彼らの後に戦いを挑めば幾分有利に戦えるでしょう。