PHASE−13 「よみがえる翼」 |
せっかく修理したのにあっという間にボロボロにされてしまったミネルバですが、キレた若者の恐ろしさを満天下に知らしめた腐っても主人公のシンの活躍もあって地球軍の撃退に成功し、クルー達は明るい表情に包まれています。 手放しでシンをべた褒めするタリアとアーサー。彼の戦果は空母2隻を含む敵艦6隻撃沈。アーサー曰く「今まで聞いた事も無い」とか。タリアの話ではシンにインパルスのパイロットを任せたのは他ならぬ声がシャアでDNA解析の専門家でもあるギルバートだとか。 何がともあれ、カーペンタリアに到着したら叙勲の申請をしようと喜びもひとしおです。ザフト軍は階級が存在しないので大手柄を立てたら昇進ではなく勲章を与えるというのが基本のようです。 そんなシンも第12話目にしてようやく主人公らしい大活躍ができて珍しく上機嫌です。ルナマリアも早速シンのスーパーパワーの秘密に迫ろうと話しかけてきます。 シ「さあ、よく分からないよ、自分でも。オーブ艦が発砲したのを見てアッタマきて、こんなんでやられてたまるか!って思ったら急に頭の中がクリアになって・・・」 ル「・・・ブチ切れたってこと?」 シ「いや・・そういうことじゃ・・・ないと思うけど・・・」 レ「何にせよ、お前が艦を守ったんだ。生きているという事はそれだけで価値がある。明日があるという事だからな。」 その頃、オーブではニュースでオーブが世界安全保障条約機構に正式加盟する方針だと報じていました。それらしく名前を飾っていますが、実態は大西洋連邦とその有志連合という事でしょう。 カガリもそれを止める事ができなかった事に忸怩たる思いで父の慰霊碑の前に佇んでいます。亡き父ウズミの言葉、先の閣議での腹黒宰相ウナトの言葉、そして前回の司令部での腹黒息子ユウナの言葉を思い出し、自分の至らなさに歯噛みするカガリ。 故ウズミと腹黒親子は明確に考え方が違いますが、どちらもオーブを守ることを考えてのことです。 ただ、大きな違いを挙げると、故ウズミは世界全体の未来を憂えていましたが、腹黒親子は今の所オーブ一国の保身を考えている発言しか出ていないというところでしょうか。 そこにユウナが現れます。例によってプライベートの場ではあくまでも馴れ馴れしいユウナ。早速車内で結婚話を切り出します。同盟条約締結と同時に式を挙げると言われ、激しく動揺するカガリ。 アスランの指輪プレゼント攻撃で水を開けられた事が余程癪だったのか、「子供の時間は終わりだ」と言って自分とカガリが結婚するしかない事を強調します。 ユウナの言いたい事は「オーブの国と国民を守るためにも大西洋連邦と同盟を結び、国を治める自分達5大首長の一族たる二人が結婚してカガリを名実共にオーブの国母に祭り上げ、より国家を繁栄させなくてならない。そのためにもアスランやキラにくっついていてはいけないのだ。」という事です。 改めて考えてみると、オーブは5大首長を頂点とする半専制国家であり、カガリはその5大首長の一族の娘で、今は名目上とはいえ代表首長、すなわち国家元首です。国民がカガリをどう思っているかという描写はありませんが、彼女に対する国民感情はかなりいいように思えるので、その彼女が同じく5大首長で宰相の息子であるユウナと結婚するのは自然の流れと考えているでしょう。そしておそらくは双子の弟のキラの存在を知らないと思われます。 リアル世界でも我が日本の皇室やイギリスの王室の結婚話にはマスコミを始めとする人々の耳目が集まります。カガリが割りと好き勝手に行動しているので忘れがちになりますが、彼女はそれ程自由の利く立場ではないのです。 カガリにもユウナの言う事は頭では理解できるだけに不機嫌に黙り込むしかありません。 カガリ危うし! 所変わってマルキオ邸では相変わらずコーヒーフェチのアンディがマリューと共に美味しいコーヒータイムを楽しんでいました。アンディのマイカップにはしっかりと彼のパーソナルマークが入っています。 互いに先の戦争で大切な人を亡くした者同士、お互いに心が通い合うところがあるのでしょう。アンディもマリューにプラントに来ないかと誘っています。 「何処かで、ただ平和に暮らせて、死んでいければ一番幸せなのにね・・・まだ何が欲しいというのかしら、私達は・・・」 その夜、寝静まるマルキオ邸の麓では怪しいダイバーの一団が誰かの暗殺を狙って進入しようとしていました。どうやら目的達成のためには皆殺しも厭わないようです。 異変に真っ先に気が付いたのは意外にもピンクハロ。ハロが騒ぐのに不審を感じたアンディとマリューはすぐに臨戦態勢に入ります。マリューとキラにラクス達の護衛を任せて侵入者に応戦するアンディ。が、さすがに1対大勢では勝負にならず、一旦退却を図りますが待ち伏せしていた敵に左腕を刺されますが、彼の左腕は義手でした!敵が刺したナイフをグリグリしても痛いわけありません。 腕を引っこ抜いて内蔵していた銃で相手を射殺するアンディ。結構余裕シャクシャクです。 何とかキラ達と合流を果たし、地下シェルターに続くエレベーターに入ろうとしたその時、通風孔からラクスを狙う人影が!とっさにキラがラクスをかばい、哀れ暗殺者は狭い通風孔で自由に身動きできないままアンディとマリューに蜂の巣に・・・どうやら彼等の狙いは他ならぬラクスのようです。 どうにかエレベーターの中に避難を果たす一行。アンディは彼等をその身のこなしからコーディネーターの特殊部隊だと看破します。 「コーディネーターの特殊部隊なんて・・・最っ低!」 それを裏付けるかのように「アッシュを出せ!」とMSの出撃を命じる隊長らしき男。 それにしてもコイツ等、表情も目つきも陰々滅々としています。どうやら今までにも色々と人に言えない後ろ暗い仕事を沢山こなしてきたようです。 颯爽と登場し、マルキオ邸にミサイルを撃ち込むアッシュ。陰々滅々と指示を出す隊長。陰々滅々と応じる部下達。 危機が迫る中、アンディは遂にラクスにアレを起動することを要求します。キラを気遣って躊躇うラクス。しかし、キラは「このまま、君たちのことすら守れずに・・・そんな事になる方がずっと辛い。」と言ってラクスにアレの鍵を渡すよう促します。 ちなみに鍵の隠し場所はハロの口の中! そして開いた扉の中には前作で半壊したフリーダムガンダムが完全に修理されて隠されていました。 遂に破られるシェルター。セリフ棒読みで「よーしいくぞ!」と張り切る隊長。そこに山をぶち抜いて颯爽と登場するフリーダム。 「なんだあれは?」「アレはまさか・・・フリーダム!?」「えーっ!?」とセリフ棒読みで驚く特殊部隊。 赤い燐紛を撒き散らしつつ決めポーズをとった後、種割れして襲い掛かるフリーダム。勿論不殺主義は相変わらずです。 こうなるとアッシュなど何機いてもフリーダムの敵ではありません。たちまちゴミ屑のように蹴散らされるアッシュ軍団。 「そんなばかな!くうっ!」とセリフ棒読みで怒る隊長。しかし、彼はしぶとく頑張っただけに一番悲惨でした。余裕で仁王立ちのフリーダムに両腕を、背中のミサイルポッドを、そして両足を打ち抜かれ、ダルマになってしまった隊長機。 どかーん! どかーん! 「ははははは!恐かろう!」ビシューン! どかーん! 「ほらほら、次は足だ!」どかーん! どてーん!「わはははは!床の間に飾ってやるぞ!」 どっかーん!「ちっ、自爆しやがったか・・・」 キラって実は・・・凄く意地悪? 折り良く朝日を浴びて美しく輝くフリーダムを睨みつつ自爆する隊長。後を追うように次々と自爆する特殊部隊。 心ならずもまた戦ってしまったキラ。こうなったらシンから主役の座を強奪する以外、彼の取る道はありません。 更なる未来へ発進せよ!アークエンジェル! やはりシンは傀・・・いや、言いますまい・・・ |
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