PHASE−15 「戦場への帰還」 |
ミネルバがオーブから去り、ラクス一党が隠してあったアークエンジェルとフリーダムガンダムを持ち出し、あまつさえユウナとカガリの結婚式に乱入してカガリを連れ去ったなどとは露知らないアスランはオーブ軍から追い回され、何がなんだか分からないままカーペンタリア基地に向かいます。 その頃、どこぞの海底ではカガリがラクス一党の暴挙にカンカンに怒っていました。 「結婚式場から国家元首をさらうなど国際手配の犯罪者だぞ!」 しかし、分かっちゃいるけどやめられないのがラクス一党。早速キラが反論します。 「でも、仕方ないじゃない。こんな状況の時にカガリにまで馬鹿な事をされたらもう・・・世界中が本当にどうしようも無くなっちゃうから・・・」 馬鹿呼ばわりされてカンカンのカガリに静かに反論を続けるキラ。口調は穏やかだけど行ってる内容は容赦がありません。 仕方ないから大西洋連邦との条約締結を決めたのか? 仕方ないからユウナと結婚するのか? オーブさえ焼かれなければ他の国はどうなっても良いのか? いつかオーブが他国を焼く事になってもそれでいいのか? と・・・・ しかし、まだカガリにはまだその仕方ないを正すチャンスがある。そして自分達にもカガリに協力するだけの力がまだある。だから花嫁ジャックを敢行したのだという意味のことを言ってカガリが手紙に同封したアスランの指輪を手渡します。 「みんな同じだよ。選ぶ道を間違えたら行きたい所には行けないよ・・・だから、カガリも一緒に行こう!」 感極まって泣き崩れるカガリ。 所変わって念願かなってザフト軍カーペンタリア基地に入港を果たしたミネルバ。 早速基地内のコンビニでショッピングを楽しむホーク姉妹。 今度こそ宇宙に戻れる!と希望を膨らませるヨウランとヴィーノ。 ピアノをみつけて嬉々として演奏を始めるレイ。 そしてコンビニの袋を片手に基地内をウロウロして初めて見る新型機に目を留める前回全く出番の無かった主人公、シン・アスカ そこにやっとの思いでカーペンタリアにたどり着いたアスランのセイバーガンダム。シンも主役の座を奪われるかもしれないという危機感が表情に表れています。 早速ミネルバのデッキに駆けつけ、アスランに食ってかかるシン。しかし、アスランマニアのルナマリアはアスランの胸に輝くエンブレムを目ざとく見つけていました。 「貴様等!頭が高いぞ!控えろ!」 「ナニよアンタ偉そうに!」 「この紋章が目に入らぬか?我こそはフェイスなるぞ!」 「へ、へへーっ!失礼いたしました!!」 「うむ、苦しゅうない。」 そう、彼はフェイスになったのです! 慌てて最敬礼する一同。シンも仕方なくメイリンにコンビニ袋を押し付け、襟を正して敬礼します。艦長に面会を求めるアスランに、メイリンを押しのけて案内を買って出るルナマリア。「ザフトに戻ってきたんですか!?」と尚も食ってかかるシンに眉をひそめています。 「なんでです?」と突っかかるシンに何も答えずに去って行くアスラン。 「おい!忘れるな!この番組の主人公は俺なんだからな!」 「上等だ!ケンカならいつでも相手になってやる!」 ルナマリアは早速エレベーターの中でアスランにアプローチをかけます。さりげなくはぐらかし、ミネルバの現状がどうなっているか問うアスラン。 そこから先はまさにルナマリア流恨み節。 曰く、地球軍の艦隊に待ち伏せされて危うく死にかけた。 曰く、ちょっと憧れていたカガリが大西洋連邦と条約を結んだ。 曰く、ちょっと憧れていたカガリが変な奴と結婚した。 愕然として思わず手にしたアタッシュケースを落とすアスラン。 しかも式の前だか後だかにカガリが連れ去られたと聞いて更に愕然とします。 アスランの驚きぶりに流石にまずい事を言ったと悟って平身低頭のルナマリア。お辞儀の角度が見事に45度です。 ショックがさめやらないまま、タリアに面会するアスラン。アタッシュケースの中身はミネルバの今後の行動に関する命令書とタリアに贈られたフェイスのエンブレム。 命令書の内容は・・・・ 「ミネルバは出撃可能な状態になり次第、ジブラルタルに向かい、現在スエズ攻略を行っている駐留軍を支援せよ。」というもの。 タリアの話によれば、よりによってユーラシア西側の紛争もあって一番ゴタゴタとしている所だとか。 ちなみにユーラシア西側の紛争というのは、つい最近、一部の地域が大西洋連邦の言いなりになっているユーラシア連邦に反抗して分離独立のための紛争を起こしているというもの。もう徴兵や制限はゴメンだというのが反抗地域側の言い分のようですが、地球軍が力で制圧しようという芸の無い行為に出たため、かなり酷い状況になっているとのこと。 一応、プラントが戦っているのは積極的自衛権の行使であって領土的野心のためでは無いというのが建前ですから、紛争に介入するにせよ、しないにせよ、ジブラルタルのザフト軍と、これからそこに行くミネルバにとってもかなり難しい判断を迫られる所です。 声がシャアのギルバートはフェイスの称号を与えたアスランとタリアが真にそれにふさわしいか試すと同時に、強力な権限を持つ彼等をしてジブラルタルのザフト軍が誤った行動に出ないよう抑える事を期待しているのかもしれません。勿論彼等ならその状況での最良の判断を下してくれるだろうという期待と信頼もあるのでしょう。 タリアがフェイスになったというのはアーサーにとってもかなり嬉しい事だったらしく、メイリンに嬉々として伝えたようです。ラウンジでメイリンからそれを聞いてビックリのヴィーノ達。 ちなみにフェイスがどれだけ偉いかというと・・・ フェイスとは個人が任命されるもので、個人的に戦績著しく、人格的に資格有りと評議会や議長に認められた者だけが任命され、その権限は通常の指揮官クラスより上で現場レベルで作戦の立案や実行を命令できるとか。 つまり、評議会直属のザフトのトップエリートという事だそうです。 ザフト軍にとって、その御威光は水戸黄門の印籠に匹敵するようです。 シンの場合は戦績の面では問題無さそうですが、たぶん人格の面で審査に漏れるでしょう。 格納庫ではルナマリアがまたしてもアスランにアプローチをかけています。セイバーのコクピットに潜り込み、早速触らせてもらうルナマリア。それを面白く無さそうに見上げるシン。相変わらず他人に突っかかる以外にさしたる出番がありません。 そして地球軍空母J・Pジョーンズの飛行甲板ではいつの間にか地球に下りて来た3凶人の紅一点、ステラが海を見ていました。 そこにチョッカイをかけようとする兵士。 そこに颯爽と現れ、チカン兵士に銃を突きつけるアウル。 自分達が第81独立機動軍だと名乗ると、チカン兵士達は情けない悲鳴をあげて逃げ出します。どうやらこの3凶人、あちこちで相当悪名を轟かせているようです。 ネオからお呼びがかかったと聞いて嬉々としてアウルについていくステラ。また戦争になると聞いて実に嬉しそうです。 同じ頃、ボスコロフ級潜水艦一隻をお供に連れてジブラルタルに出発するミネルバ。 「ようやく逢えたな・・・見つけたぜ!子猫ちゃん!」 |
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