PHASE−34 「悪夢」

声がシャアのギルバートの演説を受け、事前に何も知らされていなかったプラント最高評議会は驚きと戸惑いに包まれています。
ギルバートはロゴスを滅ぼすための戦いを始めると宣言していましたが、それは事実上ロゴスと深いかかわりのある国を相手に戦うと言っているに等しいのです。カガリの言っているようにロゴスのメンバーの経営する企業は世界的なネットワークを持つグローバルカンパニー。それと全くかかわりの無い国など探すほうが無理です。勿論オーブとて例外ではなく、特にセイラン家と深いかかわりを持っているロゴスメンバーもいます。
勿論プラントにだって軍需関係に限らず、ロゴス傘下の企業と取引のある会社の製品が出回っていたりするでしょう。宣言したのはいいけど、そんな世界的複合企業体を相手にどう戦うというのか?
置いてきぼりの皆さん。
で、プラント最高評議会では評議員達がギルバートの独走とも言える行為に不審と非難の視線を向けています。ギルバートは自分の行為が事後報告の形になった事を素直に陳謝し、真に倒すべきは連合でもナチュラルでもなく、ロゴスが築いてきた彼等が儲けるためのシステムだという事を力説します。

本来なら国家が戦争をする相手は敵対する国家の政府とその国軍、それと我々の世界で最近定義付けられた世界秩序を乱す武装勢力と位置づけれられていますが、ギルバートはそれに新たな定義を盛り込んだといえます。すなわちその国の政府や軍隊をけしかけて戦争を起す軍需産業を。
これで野望にまた一歩近付いたよ
こうなると元々ギルバートのシンパで固められている評議員達は彼に反対する理由を持ちません。先を争うように席を立ち上がってギルバートに賛同する評議員達。沸き起こる拍手。感謝の会釈をしつつニヤリとほくそ笑むギルバート。

一方、アークエンジェル一党もギルバートの放送を受けてオーブに帰還する事を決意します。そしてその動きはザフト軍ウィラード隊に察知されました。早速司令部に通報するウィラード。「あれは最早アンノウンではない、エネミーだ!」
そして発動されるエンジェルダウン作戦
目指せネビュラ勲章
寒風吹きすさぶ大地でウィラード隊に追い回されるアークエンジェル。襲いかかるMS隊を次々に撃ち落す種割れ済みのキラ。アマギはザフト軍の猛攻にたまりかねてムラサメ隊の出撃と攻撃を直撃させるよう許可を求めますが、マリューにそうやってわざとこちらに自軍の兵を殺させるのがザフトの目的かもしれないと諌められます。
あくまでもムラサメ隊を一人も欠かさずにオーブに連れて帰るという初期の目的を固持するマリューとキラ。
お前もダイエットしろよ!
一方、ザフトの白服より地球連合軍の制服のほうが似合いそうなウィラード隊長はアークエンジェルを作戦通り追い込みながらも損害を無視できなくなり、MS隊に熱くなるなと注意を促します。
もどかしそうに全軍での総攻撃を具申する副官を鼻で笑うウィラード。
「フン、貴様は知らんのだろう?アラスカもヤキン・ドゥーェも。功を焦って取り逃がしたらそれこそ取り返しがつかんぞ。今後のこともある。ケツはきっちりインパルスとミネルバに持ってもらえ。命令どおり、我が軍のエースにな。」
という彼のセリフから窺うに彼はどちらかの作戦か、あるいは両方の作戦に参加してアークエンジェル一党の戦いぶりを目の当たりにしたのでしょう。そして無理に追い込んで彼等をその気にさせれば自分達全員が雪原に屍を曝すと分かっているのでしょう。
若い軍人の多いザフト軍の中では珍しく異様に貫禄ある風貌をしています。最後にちょっと野卑なセリフを吐く辺り、長年実績を培ってきた生粋の職業軍人のようです。

一方、ウィラードからケツもちを任されたミネルバではアスランがタリアに猛抗議をしていました。何故アークエンジェルを討たなければならないのか?この命令は絶対におかしい、もう一度司令部に問い直してくれと。たまりかねて怒鳴り返すタリア。
じゃかーしー!髪の毛で刺すぞ!
彼女だって本音はあんな厄災王に関わりたくないし、おそらくは僅かながら拡大する戦渦を少しでも鎮めようと努力するアークエンジェル一党に共感を感じているのでしょう。
しかしタリアは忠良なるザフト軍人。命令に否とは言えないのです。
上から理不尽な命令をされ、下からはその命令に文句を言われる・・・嗚呼中間管理職

更にアスランを諌めるタリア。時が変われば人の心も変わる。ちゃんと今を見ろ!と・・・
しかし、それはアスランにとって彼が掲げる目標=キラやカガリ達と共に争いを鎮める道を模索する事を放棄することになるのです。
元々アスランがザフトに複隊したのはギルバートが多少やり方は違えど目的は同じだと考えたからであり、今を見る事は共に歩むべき仲間達がギルバート率いるザフト軍に殺されるのを黙ってみていなければならないということなのです。セイバーがバラバラになっていなければ今頃戦闘を止めさせるために飛び出していたことでしょう。
準備はばっちりだぜ!
そんな彼等の葛藤など何処吹く風でラウンジで禍々しい笑みを交し合うシンとレイ。出撃し、例によってたっぷりと時間をかけてフォースインパルスガンダムに合体した後、フリーダムに襲いかかります。
一方、真正面から対峙したミネルバとアークエンジェル。アークエンジェルはノイマンの見事な操艦によりミネルバの出会い頭の砲撃を見事にかわし、すれ違います。すれ違いざま攻撃を仕掛けるアークエンジェル。しかし当たりません。いや、当てないのです。
ガンダムでは珍しい戦艦対戦艦
それを見抜いたタリアは国際救難チャンネルを開いてアークエンジェルに降伏するよう呼びかけます。しかし、そこは彼女もザフト軍人。警告は一度だけだと申し渡します。
乗員全員の生命は保証すると言うタリアですが、ザフトは元々捕虜は取らずにその場で全員銃殺する主義です。それはこれまでの戦闘で証明して見せているし、仮にタリアが約束を守ろうとしてもウィラードやギルバートがそれを破ろうとするでしょう。ましてやカガリやキラがザフトの手で裁判という名のリンチにかけられる可能性は非常に高いのです。

キラも通信で海に逃げ込めと促します。
マリューもミネルバに返信を送ります。モニターに現れたのがかつて自分を悩殺した美人技師だと知って愕然とするアーサー。
「アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスです。貴官の申し入れに感謝します。ありがとう。ですが、残念ながらそれを受け入れることは出来ません。本艦にはまだ仕事があります。連合か、プラントか、今また2色になろうとしている世界に本艦はただ邪魔な色なのかもしれません。ですが、だからこそここで消えるわけにはいかないのです!願わくば、脱出を許されん事を!」

「今すぐ降伏したら3食昼寝付テレビ見放題の待遇を保障しますよ!」
「艦長!それマジっすか!?」「私捕虜になりたーい!」
「ナメて貰っちゃ困ります!私は自分より貧乳の女には絶対に降伏しない主義なんですよ!」
「悔しかったらシリコンでも入れて乳をもっとでっかくすることね!オーッホホホホホホ!」「あのアマなめやがってぇ〜!キーッ!」
「めんこいオナゴやのう・・・ワシ見逃しちゃおうかな?デヘデヘデヘ」「このエロ親父が・・・(ボソ)」

タリアは誠意とアークエンジェルに対する密かな共感を持ってアークエンジェルに呼びかけ、それに誠実な回答で答えたマリューでしたが、それは居合わせた第3者=ウィラードを激怒させてしまいました。
ベテランの職業軍人である彼にとって撃破命令が出ているのに降伏勧告をする事自体腑抜けた行動に見えるのに、それを突っぱねたアークエンジェルがザフトをなめていると写ったのです。彼女達の行動は彼の軍人としてのプライドを著しく刺激し、その結果ウィラード隊全軍の暴走を招いてしまったのです。
大天使大ピンチ
猛攻にさらされるアークエンジェル。助けに行こうとするフリーダムですが、シンに阻まれてしまいます。そんなシンをもどかしい思いで見守らざるを得ないアスラン。

シンに付き纏われやむなく相手をするキラでしたが、シンはレイとフリーダムの戦いぶりを研究した結果、キラの弱点を看破していました。すなわち、絶対にコクピットを狙わないという事に。その弱点を突き、フリーダムを徐々に追い込むインパルス。しかし、相手は原子力です。そう簡単には勝てません。が、シンはインパルスの性能と特性をフル活用して戦います。
クソッ!敵もニュータイプなのか?
腕を斬られ、首を刎ねられてもすぐさま分離して予備パーツを射出させ、復活して更に襲い掛かり、わざと分離してフリーダムの斬撃をかわして遂にフリーダムの片翼をもぎ取ります。
ステラの復讐に燃えるシンの前に最終回で戦闘獣にボコボコにやられるマジンガーZ状態のキラ。

スカッ!
「フリーダムよ・・・どうしたんだ!?お前はどんな敵にも勝って来たじゃないか!?」
どかーん!「うわっとお!」

その間も海に向けてひたすら逃げるアークエンジェル。逃がすまいとタンホイザーの発射準備に入るミネルバ。
その間もシンはソードシルエットを射出させ、エクスカリバーだけ抜き取ってフリーダムに突進します。そしてキラの注意がミネルバに撃たれたアークエンジェルに向いた時、悲劇は起こりました。
キラ死す?
フリーダムの胴体を貫くエクスカリバー。インパルスの頭部を貫くビームサーベル。巻き起こる核爆発。爆発が収まった後、そこにはボロボロのインパルスとフリーダムを倒して泣き笑いするシンの姿が・・・・

「キラぁーーーーーーーーーー!」
果たして真の主役は死んだのか!?

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