PHASE−10 「父の呪縛」 |
テロ組織ブルーコスモスの盟主、ロード・ジブリールがチョコより甘い見通しで大西洋連邦にやらせた核ミサイル攻撃テロがものの見事に失敗に終わり、そのニュースが世界各地に流れます。 あまりの事に愕然とするプラント市民、ミネルバのクルー、オーブ政府の面々、そして声がシャアのギルバートに面会したアスラン。 ある程度覚悟を決めていたとはいえ、ギルバートもショックを隠せない様子です。これあるを覚悟していた政府や軍でさえこうなのだから大多数の市民にとっては正に青天の霹靂です。 宣戦布告して戦闘が始まって一時間後に核ミサイル攻撃という猛スピード。もし成功していれば ある程度戦力が温存されていたとはいえ、ユニウス7落下の被害からも立ち直っていないのに・・・ 開戦→核ミサイルテロ→大失敗→撤退 主犯格の大西洋連邦の面目は丸潰れです。 一方のザフト軍も敵を撃退したとはいえ、いきなり核攻撃をされた動揺は大きく、特に完全に事後報告の形で事を知らされた市民達は評議会への不審を募らせます。 とあるオッサン「こうなったらもう戦争だ!」 もう始まってるって・・・ とあるヤンママ「そんな!無茶苦茶よ!」 おっしゃるとおりです。 アスランの「今後プラントはどうなさるおつもりなのです?」と言う問いに難しい顔で考え込むギルバート。 ギルバートは語ります。報復すれば世界はまた泥沼の戦場になりかねない。それは避けたいが事態を市民に隠しても置けない。市民達はこう叫ぶだろう・・・「許せない!」と・・・・ それでも訴えるアスラン「怒りと憎しみだけで、ただ撃ちあってしまってはダメなんです!」 前作で個人レベルで親友のキラと激しく殺しあった苦い経験があるだけに、その口調にも熱が入ります。「アレックスくん・・・」というギルバートに「俺はアスラン・ザラです!」と、とうとう自分で認めたアスラン。ニヤリと微笑を浮かべるギルバート。 今まで心の奥に溜めていた激情を一気に噴出すかのように語るアスランをなだめると、静かに語り始めるギルバート。 「ユニウス7の犯人達の事は聞いている。シンの方からね。キミもまた、辛い目にあってしまったな・・・」 ・・・・いつシンから聞いたんでしょう?今まで見た限りそんな暇は無かった筈ですが??またガンダムAで語られるんでしょうか? 「君が彼等の事を気に病む必要はない。君が父親であるザラ議長の事をどうしても否定的に考えるのは仕方のない事なのかもしれないが、だが、ザラ議長とて、始めからああいう方だったわけではないだろう?彼は確かにやり方を少し間違えてしまったかも知れないが、だが、それも元はといえばプラントを、我々を守り、より良い世界を作ろうとしての事だろう。」 ・・・少しどころか大いに間違えていましたが、やはりアスランを気遣って「少し」と言ったのでしょう。 「思いがあっても、結果として間違っていまう人は沢山いる。また、発せられた言葉がそれを聞く人にそのまま届くとも限らない。受け取る側もまた、自分なりに勝手に受け取るものだからね。」 ・・・う〜ん、いい事言うなあ、この人。 「ユニウス7の犯人達は行き場の無い自分達の思いを正当化するためにザラ議長の言葉を利用しただけだ。自分達は間違っていない。ザラ議長もそう言ってただろう。とね・・・」 この言葉、事あるごとにカガリやアスランに食ってかかるシンにも言える事です。 「だから君は彼等の言葉に振り回されてはいけない。彼等は彼等、ザラ議長はザラ議長、そして君は君だ。たとえ誰の息子であったとしても、それを負い目に思ってはいけない。君自身にそんなものは何も無いんだ。今こうして再び起きかねない戦渦を止めたいと、ここに来てくれたのが君だ。ならばそれだけでいい。一人で背負い込むのはやめなさい。」 アスランの胸のつかえを取ろうとするかのように静かに、やさしく語るギルバート。 「だが、うれしい事だよ、アスラン。こうして君が来てくれた、というのはね。一人一人のそういう気持ちが必ずや世界を救う。夢想かと思うかもしれないが、私はそう信じているよ。だから、そのためにも今を踏みこたえねばな・・・」 政治家と言う徹底的に現実家としての能力を求められる仕事に就いていながらも理想家としての思いをも併せ持つギルバート・デュランダル。彼もまたかつてのラクスやマリュー達の様に報われる事の極めて少ない茨の道を歩む人物なのでしょうか? 一方、巷では戦争反対と断固戦争という二つの意見が交錯する中、評議会への非難と、「リメンバーユニウス7」の声が次第に高まっていきます。そしてそれが頂点に達したその時・・・・ 軽やかなテンポの音楽と共に語り始めるにせラクス。それまで大騒ぎだった市民達は水をうったように静まりかえり、彼女の言葉に耳を傾けます。 市民達の怒りの声に理解を示しつつも、最悪の事態を避けようと努力する最高評議会のデュランダル議長を信じて落ち着いて欲しいと訴えます。 ポカーンと画面を見つめるアスランに「あのラクスはニセモノ」とはきっぱり言わなかったものの、やや自嘲的にそれを認めるギルバート。 「彼女の力は大きいのだ。私のなどより、遥かにね。」 それを証明するかのように、にせラクスの訴えにあっさり納得する市民達。中には前の戦争でヤキン・ドゥーエ攻防戦に参加していてラクスの言葉を聞いた元兵士もいるようです。 己の思いを実現に近づけるためにはあらゆる手段を惜しまないギルバート。やはり只者ではありません。 にせラクスの歌が流れる中、アスランを軍の秘密エリアに案内するギルバート。 次週の「ガンダムSEED DESTINY」は1時間スペシャル!いつもより30分早い午後5時30分から2話連続放送!という字幕が流れる中、奥に通されたアスランが見たものは・・・・ ZGMF-X23Sセイバーガンダム!長らくオープニングのみの登場だった機体が満を持しての登場です。性能は異なるけど、あの3凶人が強奪したガンダムとほぼ同時期に開発された機体だとか。 「この機体を君に託したいと言ったら、君はどうするね?」と面白そうに問いかけるギルバート。 ザフトに戻れと?というアスランの問いにそういうことではないと答えます。ではどういう事なのかというと?「ただ言葉のとおりだよ。君に託したい。」とさらりととんでもない事を言ってのけるギルバート。 思いを同じくする人には立ってもらいたい。しかし、様々な思惑、様々な組織が複雑に絡み合い、事が思い通りに行かずに戦争になってしまうかもしれない。そういう時のためにアスランに力のある存在になって欲しいと言うのがギルバートがアスランにセイバーを託す理由です。 「我等が誤った道を歩んだ時、君もそれを正してくれ。だが、そうするにも力が必要だろう?残念ながら・・・」と語るギルバート。しかし、その時にギルバートが大人しく正されると言う保障は何も無いのですが・・・考える猶予を与え、去っていくギルバート。彼はアスランにジャッジをやって貰おうと言う心算のようです。 宿舎に戻ったアスランを、あのにせラクスが出迎えます。頭の中が「???」状態のアスランに「ミーアよ、ミーア・キャンベル」とあっさり自分の正体を暴露するにせラクス。「でも、他の誰かがいる時はラクスって呼んでね♪」ふか〜〜〜い溜息と共に去っていこうとするアスランを無理矢理食事に誘うミー・・ラクス。 このミーア・キャンベルなる少女、話を聞いた限りでは、元々はラクスの1ファンで彼女の歌をよく歌っていたのだけど、声がラクスに実によく似ていたためにある日、デュランダル議長に呼ばれて「今君の力が必要だ」と言われて、にせラクスになってくれと頼まれたのだとの事。 「君のじゃないだろ、ラクスだ。」というアスランのきついツッコミに怯むミー・・ラクス 彼女のラクスへの思いを語り、「ミーアは別に誰にも必要じゃないけど・・・」と自分の過去の一端を語るミーア。彼女は彼女で過去に色々あったようですが、それもまたおいおい語られていくでしょう。 「名は存在を示すものだ云々・・・」と第3話のラストで語っている傍ら、その偽りの存在を立てることを厭わないギルバート・デュランダル。やはり只者ではありません。 そしてアスランは決意します。 「ちっくしょー!俺の出番はどうなってるんだよー!」 ドカッ!ポキッ! 「シン、今の音・・・」「どうしよう・・・折れちゃった・・・」 |