PHASE−23 「戦火の蔭」 |
本来ならオーブ艦隊を撃滅させて凱歌をあげている筈なのに、いきなり現れたフリーダムに勝利を台無しにされた上に大損害を被ったミネルバ。しかし、タリアはこんな時でも冷静さを無くしません。 本来ならダーダネルス海峡の藻屑と消えているところを命拾いしてポカーンと見守るオーブ軍。彼等の視線の先にはフリーダムの雄姿とアークエンジェルの偉容が・・・ 両軍がボーゼンと見守る中、更にもう一機のMSが颯爽と飛び出します。 ストライクガンダムと瓜二つの機体。 ミー・・・ラクスの馬鹿ザクにも負けず劣らずのサイケな配色。 そして左肩に燦然と輝く獅子のエンブレム。 こんな機体を乗り回すのは世界広しと言えど一人しかいません。 「私はオーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ!オーブ軍、直ちに戦闘を停止せよ!軍を退け!」 予想だにしなかった事態に愕然とする一同。 それに先立つ回想シーンでオーブ軍が戦闘に加わると聞いて驚き憤るカガリに厳しいツッコミを入れるアンディとキラ。 あの時カガリに大西洋連邦の条約締結を止められる力は無かったと。しかし、カガリは国家元首といえど若干18歳の少女。実質的に政治の実権を握っていたのは海千山千の腹黒親子を筆頭としたセイラン一派です。キラ達の口ぶりを聞いていると、カガリが止められなかったのが悪い。と取れますが、例えカガリがラクス並みの胆力を持ち合わせていたとしても条約締結を遅らせるのが精一杯だったでしょう。 もっともラクス一党も最悪の事態に備えてマルキオの力を背景にアークエンジェルの改装とフリーダムの修復に励んでいたのでしょうけど。 ともあれ、戦闘を止めさせるべく出撃を決意するカガリ。 「本当はもう、どこも、誰も、こうして戦うばかりの世界にいてはいけないんだ!」 カガリの呼びかけに戸惑うオーブ軍。驚くアスラン。黙って見守るタリアやネオ。そして怒りに身を震わせるオーブ滅亡を狙う主人公、シン・アスカ。 「くっそ〜なんで俺はカガリやアスランが目立つとコマが小さくなるんだよ!」 3凶人に出撃準備するよう指示しつつ、ユウナに厳しく詰問するネオ。同盟軍の国家元首が何故自軍の戦闘を止めさせようと乱入してきたのか?と。しかし、こんな事態、たとえ超一流の詐欺師でも誤魔化し通すのは無理です。 しどろもどろになりながらも答えようとするユウナですが、生涯最大の屈辱を思い出し、逆にブチ切れます。 「あんなもの、私は知らない!」 愕然とするトダカ。にんまりするネオ。 慌ててユウナに詰め寄るトダカですが、「アレはニセモノだ!でなければ操られているんだ!」ヒステリックに否定するユウナ。しかも攻撃命令を出してしまいます。第12話でカガリを厳しく諌めた凛々しさは欠片も残っていません。 しかし、今回に限ってはユウナの方が正しいと言わざるを得ません。「ハイやめますで済むかー!」という言葉どおり、今更撤退はできません。そんなことしたら後方で督戦しているネオ艦隊に撃たれてしまいます。 そしてカガリは行方知れずと言えども、まだ法律的にはオーブの国家元首です。目の前のピンクのガンダムがカガリだと認めてしまえば、オーブの立場は大いに悪化してしまいます。ましてや前方にザフト軍、後方にネオ艦隊。オーブが同盟の離脱と戦域からの撤退を表明し、アークエンジェルが護衛につくとしても、生きて帰れる保障はないのです。更に大西洋連邦軍がまたオーブに侵攻し、また国土が焼け野原になってしまうでしょう。 ユウナがヒステリーを起こしたので彼が乱心して狂った命令を出したと言う印象を与えがちですが、彼は乱心していたとしても、結果的に正しい判断を下したと言えます。 フリーダムが上手くしのいでくれる事を祈りつつ、攻撃命令を出すトダカ。 「我等を惑わす、賊軍を討つ!」嗚呼中間管理職・・・ 放たれるミサイル。トダカの期待通りミサイルを全て撃墜するフリーダム。 オーブ軍が旗幟を鮮明にした事で戦闘に加わるネオ艦隊。終わってみればミネルバの大ピンチ、地球連合軍の大チャンスです。瞬く間に猛攻にさらされるミネルバ。出撃するハイネ、レイ、ルナマリア。 ユウナはこの場でオーブに災いをもたらした疫病神をまとめて葬ろうと総攻撃を命じます。まっとうな軍人であるトダカは従わざるを得ません。 カガリはニセモノと聞いてとりあえず納得して戦闘に加わるオーブ軍MS隊。カガリの必死の呼びかけも空しく、戦闘は激化の一途を辿ります。 種割れし、アンディにカガリの護衛を任せて両軍に襲い掛かるキラ。 ステラの駆るガイアに攻撃されたハイネは電撃鞭で互角以上に渡りあいます。 「ザクとは違うのだよ!ザクとはぁ!」 しかし、カンカンに怒ったステラに一気に押され気味・・・ 目の前でオーブ軍のMSが次々とオーブの理念に反した戦いによって海の藻屑となっていく光景に無力感に苛まされ号泣するカガリ。掲げる理念がどんなに立派でも、強大な軍事力を持つ事大主義な国の前には無力なのでしょうか・・・ 挿入歌「ミーティア」が流れる中、次々と両軍のMSを戦闘不能に陥れるキラ。ミネルバを攻撃しようとする地球軍を牽制するアークエンジェル。最初にミネルバを撃っておきながらミネルバを援護するアークエンジェルに戸惑うタリア。 「まさか、本当に戦闘を止めたいだけなんて、そういう馬鹿な話じゃないでしょうね!?」 そういう馬鹿な話なんです。 インパルスの右腕を切り落とし、アビスのエンジンを破壊し、ガイアの両手(前脚?)を切り落とし、そしてグフの右腕を切り落とすフリーダム。 「手当たりしだいかよ!コノヤロウ生意気な!」 しかし、幾ら彼等が凄腕のパイロットでも相手が原子力ではどうにもなりません。 そしてキラが次の標的をどこかで見たカラーリングのMSに定めた時、悲劇は起こりました。コケにされて怒り狂ったステラが涙ぐみながらフリーダムに背後から襲い掛かったのです!そこにス〜ッと割ってはいるハイネのグフ。 「邪魔だー!」 ずばーん! 「うそ〜ん!」 どっかーん!「ハイネー!」 真っ二つにされるハイネ。いい人だったのに僅か3話目にしてダーダネルス海峡の藻屑と化してしまいました。合掌。 ステラの渾身の一撃は通用せず、あっさりとフリーダムに蹴落とされてカオスに助けられるガイア。 巷ではハイネが死んだ原因は「ミーティア」を熱唱していたからガイアの攻撃への対応が遅れたからだと言う噂が流れているとか。(CVが西川貴教氏だし) ネオ艦隊からの撤退信号を契機に退却する両軍。 ハイネの死に忸怩たる思いのアスラン。それは乱入して戦場を散々荒らし回ったキラへの憤りとなりました。 悠然と去っていくアークエンジェルに怒りの視線を向ける散々コケにされたチームミネルバの一同。 何がともあれ・・・ ザクバンザーイ! |
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